2020/03/31

自我を保てなくなる瞬間の面白さ ─ 「悟空のきもち」体験編

前回の続き。

前回までのあらすじ。予約3ヶ月待ちの行ったら絶対寝ちゃうヘッドマッサージ「悟空のきもち」。そういう非日常的な体験を求めているから絶対行くぞという強い気持ちで、なんとか予約までこぎつけた。

予約日当日。まず、入ってすぐに見えるでけえ仏像の顔と手。もうこの時点で勝利が確約されていた。カバー画像がそれです。

まず、はじめての人向けの説明を受ける。「施術中は寝たり起きたりする」らしい。そういうのよ、そういうの。そういうの待ってたな。

いざ、内部へ……

でけえ大仏の顔と手の間にある荘厳な円形のドアから中に入る。そこに広がっていたのは、チームラボか?みたいな空間。漫画喫茶のような仕切りで部屋が分かれている。ただ、漫画喫茶と圧倒的に違うのが、真っ暗でガラス張りの空間。そして壁にはデジタルサイネージでパーティクルが煌々とゆらめいている。

部屋に案内され着替える。うっすらとドローン系の音楽が聞こえてくる。もう、すでに「悟空のきもち」は始まっているのだ。着替え終わり、椅子に腰掛ける。社長が座ってそうな圧倒的フカフカの椅子を想像してもらえれば、それです。背もたれがぐぐぐっと後ろに倒れるタイプ。

施術担当の人に、力加減を見るための押し具合を確認してもらう。そんなに痛さはないし、なんなら物足りないくらいだったが、こういうときまずは「普通」で通してしまう。話が脱線するがこれは外食でも同じで、その店でのベースとなる「普通」=「一番美味しい」だと解釈しているので、初めての店に行くと一番推しの一番普通を食べるのが習慣になっている。

あとこれはかなり重要なポイントなんですけど、かなり静かな空間なので、施術担当の人との会話もすべてコソコソ話。耳元でこそばゆく囁かれるという、リアルASMR。体験のエッジが効いている。

施術開始。寝ないぞ!!

もったいないから、絶対寝ないぞ!

いよいよ本施術に入ったが、まず足から。完全に想定外だった。こっちはヘッドマッサージをしにきているのに、足!?しかも触り方が ふわっ ふわっ と自律神経整えている感じ。ツボを押す、とか、あーそこそこ!みたいな気持ちよさはない。触れられているだけ。肩や鎖骨、首回り、眼球周りも同じように軽〜く触られていく。大丈夫かこれ!?

大丈夫でした。いよいよ大本命の頭部。軽く押されているくらいの強さだが、思いのほか、痛え。例えるなら二日酔いの頭痛みたいな痛さ。いやいや、この痛さだったら気付いたら寝てるのは無理だろ。嘘じゃん。そんな痛みに耐える。

痛みに耐えてたら一通り終わった雰囲気。「え、これで終わりなの?」って思ったら、2周目が始まる。

2周目、ここから記憶が断片的。

さっきとは打って変わって、痛さがほとんどない。そして、お待ちかね。「気付いたら寝てる」。

「あれ!?いまいびきかいた!?」と自分のいびきで一瞬目を覚ます。まさに気がついたら寝ていた。「寝たらもったいない!絶対寝ないぞ!」と心に決めて意識を強く持つも、少ししたらまた寝てる。自我の敗北。このループを3回は繰り返す。これが「寝たり起きたりする」感覚・・・。さすがに自分で自分が面白くなってきた。

施術終了

1時間の施術が終わり、メイクルームに案内される。

担当の人曰く、かなり老廃物溜まってたらしい。それで1周目は痛く感じたんだとか。なるほど。2周目は老廃物が流れて、睡眠できたのか。

そして、メイクルームにはタブレットが置いてありここから通常の枠では取れない来店者限定の予約枠が取れる。来店日にしか予約できないシステムで、うまい商売やってる。実を言うと、すでにこの記事を書くまでに5,6回は行ってる。こわいシステムだ。

最後に、「気持ちいい〜」とか「スッキリした〜」みたいな体験を求めている人はちょっと違うかな、と。実際行ってみて「寝たな」の比重が大きい。落ちるタイプの睡眠で泥のように眠る体験を求めていくと良いかもしれない。

前の記事 |

KUMO

次の記事 |

自我を保てなくなる瞬間の面白さ ─ 「悟空のきもち」予約編

記事 | おすすめ

フリーランスこそcal.comを使うとよい

記事 | ベスト

2021年GENGENGベストを振り返る

記事 | 効率

デスクトップを毎日キレイに保つ方法 ─ Hazelの活用法

記事 | 思考

同じことを繰り返せない

ワークス | サービス

世話カツ

ワークス | サービス

知見山